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CLOSE萩原電気グループは、お客さまに提供する商品・サービスが、社会
全体の環境保全や環境負荷の軽減に役立つとの認識のもと、持続可
能な社会の実現に向けた行動を推進します。
地球温暖化や産業廃棄物問題など全世界レベルでの環境破壊が顕在化し深刻化が危惧される今日、21世紀を持続可能な発展が可能な社会とするためのより一層の取り組みが必要とされています。そのなかでカーボンニュートラルの達成や企業のゼロエミッションの実現、エコファンド、グリーン調達の広がりなど、循環型社会形成のための様々な法整備や環境意識の高まりが見られます。
こうした社会気運のなか、萩原電気グループではIT・ネットワークなど先端エレクトロニクス技術がもたらす広範なコミュニケーションや高度な情報化社会の実現により、自然と人間が共生する希望あふれる未来社会の創造に挑戦する企業として、環境保全活動を継続的かつ計画的に推進することが社会的責任であると認識しています。現在、ISO14001環境マネジメントシステムを中核としたEMS活動を積極的に推進しています。
また、人体のみならず地球環境に有害な化学物質に関しては、製品への含有や工程内で使用する有害な化学物質の管理のほか、顧客企業のセットに組み込まれる、部品の含有化学物質に関する管理も重要であり、サプライチェーンにおける製品含有化学物質の円滑な開示・伝達のための仕組み作りを推進しています。
萩原電気グループは今後とも事業活動を通じ、持続可能な社会の実現の為に地球環境の保全と向上に誠意をもって配慮し行動するとともに、あわせて社会への貢献を図っていきます。
萩原電気グループでは持続可能性の考えのもと、環境リスクの低減及び環境への貢献を目的として、主要事業所にてISO14001のマネジメントシステム認証を取得しています。
萩原電気グループは、2023年3月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)※1提言へ賛同し、2023年4月にTCFDコンソーシアム※2に加盟しました。萩原電気グループは、気候変動を重要な経営課題の1つとして認識し、TCFD提言へ賛同する企業や関連団体と協働しながら、TCFD提言が求める4つの情報開示項目「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に基づいた情報開示に努めてまいります。
※1 TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
G20の要請を受け、金融安定理事会により 2015年に設立されたタスクフォースです。企業などに対し、気候変動によるリスク及び機会が経営に与える財務的影響を評価し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について開示することを推奨しています。
※2 TCFDコンソーシアム
TCFD提言へ賛同する企業や金融機関等が、企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断に繋げるための取り組みについて議論する場として2019年に設立された共同体です。
基礎項目 | 概要 | 具体的な内容開示 |
---|---|---|
ガバナンス | 気候関連リスク・機会に関する組織の ガバナンス |
●取締役会による気候関連課題の監視体制 |
リスク管理 | 気候関連リスクの特定・評価・管理の プロセス |
●気候関連リスクの特定・評価プロセスの詳細 |
戦略 | 組織の気候関連リスク・機会とそれに よる事業・戦略・財務への影響 |
●短期・中期・長期のリスクと機会 ●リスク・機会が事業、戦略、財務計画におよぼす影響 ●関連するシナリオによる影響と対応 |
指標と目標 | 気候関連リスク・機会の評価・管理に 用いる指標と目標 |
●温室効果ガス排出量(Scope1,2,3) ●気候関連リスク・機会の管理に用いる指標 ●気候関連リスク・機会の管理に用いる目標および実績 |
萩原電気ホールディングスは、サステナビリティ経営をグループ全社で横断的に推進するため、2022年7月に代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置いたしました。サステナビリティ委員会の下部組織には、内部統制、リスクマネジメント、SDGsやESGを推進・管理する各委員会を設置し、体系的かつ効果的なマネジメント体制でのグループ経営の強化を進めております。
サステナビリティ推進委員会(四半期ごと開催)は、経営戦略担当役員を委員長として、気候変動対応やカーボンニュートラル推進などの環境課題を含むサステナビリティに関する方針策定、重要課題に対する施策の議論・決定、その進捗モニタリングを行います。サステナビリティ推進委員会の方針や重要施策のもと、環境推進ワーキンググループが中心となり、環境課題に関する具体的な取り組みを、当社グループ各社の関係部門や環境マネジメントシステム(EMS)の仕組みへ展開し、活動の促進を図っています。
サステナビリティ推進における主たる活動状況や重要事項は、サステナビリティ推進委員会の委員長が、経営会議メンバーを中心に構成されるサステナビリティ委員会(四半期ごと開催、委員長は代表取締役社長)へ報告を行い、指示を受けるとともに、サステナビリティ委員会の検討および判断を踏まえ、重要事項については、経営会議、取締役会にて協議や決議を行うプロセスとし、取締役会による適切な監督や指導が図られる運用体制としております。
萩原電気ホールディングスでは、サステナビリティ推進委員会を中心として、気候変動にかかるリスクや機会の特定や分析を行っております。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)の外部シナリオなどを参考とし、シナリオ分析によるリスクの整理、また、各事業への影響度や業界動向も踏まえた特に重要度の高いリスクの特定により、それらのリスクへの適切な対応を進めてまいります。
サステナビリティ推進委員会の委員長は、リスク管理委員会(四半期ごと開催)に参加し、気候関連問題の観点を当社グループの全社リスクや事業リスクに反映させる仕組みとし、統括管理するサステナビリティ委員会(四半期ごと開催、委員長は代表取締役社長)、監督と指示を行う経営会議および取締役会(いずれも議長は代表取締役社長)への定期かつ適切な報告と協議を経て、取締役会にて当社グループの全社リスクを承認しております。
気候関連リスクを管理するプロセスの強化、気候関連のリスク管理と当社グループの総合的なリスク管理を統合する仕組みの強化を進め、気候関連リスクの経営戦略への落とし込みを図ってまいります。
萩原電気グループは、2050年までを考慮した2℃シナリオに基づく定量のシナリオ分析を実施しております。萩原電気グループの気候変動に関わる短・中・長期のリスクと事業機会を網羅的に分析し、下記のとおり選定しました。
事業及び企業活動に与える影響が大きいと考える事項を重要事項として抽出した結果、移行リスクについては、炭素税導入等の各種法規制の変更によるコストへの影響や情報開示ニーズの未対応リスクなどを抽出しました。また、物理リスクでは、異常気象甚大化によるサプライチェーン寸断や平均気温上昇による影響などの売上減少のリスクなどを抽出しました。
今後は、これらを踏まえて、1.5℃シナリオに対応したリスクと機会の特定や影響度の再評価、対応策の諸検討を進め、経営戦略へ組み込んでまいります。
種類 | 要因項目 | 事業インパクト | 時間軸 | 影響度 | |
---|---|---|---|---|---|
主 な リ ス ク |
政策・ 法規制 |
自動車関連 |
炭素税導入等の各種法規制の変更が、半導体製造やその他製造など、 当社が商社機能として関わるサプライチェーンにおいて材料の供給や 資材価格等へ悪影響を与えた場合、当社においても原価高騰による仕 入れコストが増加 |
中期 | 大 |
自動車業界への政策厳格化に伴う自動車関連顧客のEVシフトに伴い、 ガソリン車関連の部品点数減少や部品構成変化による売上や利益の減少 |
中期 | 中 | |||
排出規制の 強化 |
運賃や輸送費の値上がりによる物流・輸送コスト増加による利益圧迫 | 中期 | 中 | ||
技術 |
既存製品の |
太陽光発電設備など自家発電インフラの増設による設備投資コストが増加 | 中期 | 中 | |
環境配慮型の自社製品(産業用コンピュータ、検査装置など)の開発への 投資費用が増加 |
中期 | 小 | |||
評判 | 投資家、顧 客の行動変 化 |
環境情報開示ニーズ(ESG評価基準の厳格化、開示要請分野の拡大)への対 |
中期 | 大 | |
急性 物理的 リスク |
異常気象甚 大化 |
台風や洪水など異常気象の重大性と頻度の上昇によって、サプライチェー ン寸断やインフラの長期停止が発生するリスクが上昇(発生した場合は売上 減少) |
長期 | 中 | |
慢性 物理的 リスク |
平均気温上 昇 |
気温上昇による自社オフィスの空調エネルギーのコスト増加、気温上昇へ 対応するための建物の省エネ改修や環境性能の高い物件への移転による改 修費や賃料などのコスト増加 |
長期 | 小 | |
気温上昇に伴い、仕入れ先のエネルギーコストが上昇し、当社においても |
長期 | 中 | |||
主 な 機 会 |
製品 および サービス |
電動車の普 及拡大 |
電動車関連の部品構成の変化(モーター・インバーター・バッテリー等)に |
中期 | 大 |
EVシフトや 省エネ対策 に伴うビジ ネス変化 |
電動車推進政策に伴い、EV市場におけるバッテリー監視、モーターやイン |
中期 | 大 | ||
環境負荷、省資源に対する意識の高まりに伴い、お客様の製造プロセスの 効率化や生産性、省エネ性能を高めるITソリューションビジネス(最先端 IT、DX推進、クラウド化など)、産業機器ビジネス(機器、インフラ、 IoT、制御/解析など)の機会拡大 |
中期 | 大 | |||
市場 | 市場、トレ ンド変化 |
カーボンニュートラル対応などの社会課題の解決に貢献するイノベーショ ン創出、新規事業や領域拡大への参入機会の増加 |
中~ 長期 |
中 | |
レジリエ ンス |
省エネ対策 の推進 |
自社内環境負荷低減活動の推進、備品等、環境配慮製品の使用率向上、社 員の環境意識向上によって、企業評価の向上、資産の呼び込みへの好影響 |
短期 | 小 |
顕在時期 短期:2025年頃まで 中期:2030年頃まで 長期:2050年頃まで
影響度 定量化した結果を、売上・利益・運用コストの軸ごとで勘案し、大・中・小で評価しております。
使用したシナリオのうち、代表的なものは以下です。
移行リスク/機会:IEA NZE 2050
物理リスク/機会:RCP8.5
中長期的な温室効果ガス(GHG)の排出削減目標の達成に向けて、Scope1,2(2020年度以降)及びScope3(2021年度以降)の算定を実施しました。結果を踏まえ、Scope1,2に対しては2027年度までの削減目標を設定し、目標達成に向けて、具体的な取り組みを開始しております。
区分 | 排出量[t-CO2] | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||||
Scope1 | 直接排出 | 335 | 296 | 288 | 299 | ||
Scope2 | エネルギー起源の 間接排出 |
マーケット 基準 |
1,273 | 872 | 969 | 718 | |
ロケーション 基準 |
1,145 | 861 | 887 | 1,077 | |||
Scope3 | - | 583,264 | 614,549 | 739,719 | |||
カテゴリ1 | 購入した製品・サービス | - | 561,639 | 604,577 | 729,602 | ||
カテゴリ2 | 資本財 | - | 695 | 622 | 1,337 | ||
カテゴリ3 | Scope1,2に含まれない燃料及び エネルギー活動 |
- | 193 | 193 | 141 | ||
カテゴリ4 | 輸送・配送(上流) | - | 20,384 |
8,732 |
8,225 |
||
カテゴリ5 | 事業から出る廃棄物 | - | 59 | 110 | 82 | ||
カテゴリ6 | 出張 | - | 92 | 98 | 103 | ||
カテゴリ7 | 雇用者の通勤 | - | 202 | 217 | 229 |
Scope1,2合計(マーケット基準) | 1,608 | 1,168 | 1,257 | 1,017 | |
Scope1,2合計(ロケーション基準) |
1,480 | 1,157 | 1,175 | 1,376 | |
Scope1,2,3合計(マーケット基準) |
- | 584,432 | 615,806 | 740,736 | |
Scope1,2,3合計(ロケーション基準) |
- | 584,421 | 615,724 | 741,095 |
温室効果ガス排出量の算出について
[算定対象範囲について]
2020年度の算定対象範囲は、連結子会社全てを算定対象に含んでおります。
2021年度以降の算定対象範囲は、下記の第三者検証「温室効果ガス排出量 検証報告書」をご確認ください。
[算定方法について]
Scope1(燃料関係)は、日本の環境省・経済産業省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」を使用しております。
Scope2(電力関係)は、日本の環境省・経済産業省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」、地球温暖化対策の
推進に関する法律に基づく電力事業者別の調整後排出係数を使用しております。
海外拠点については各年度における電力供給会社が提供する最新の係数を使用しております。
Scope3は、日本の環境省・経済産業省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」を使用しております。
カテゴリ8,9,11,13,14,15は該当する活動がないと判断し、除外しております。
カテゴリ10,12は軽微なため除外しております。
萩原電気グループでは、算定データの信頼性の確保を目的として、一般社団法人 日本能率協会による第三者検証を受けています。
指標 | 基準年 | 目標年 | 目標水準 |
---|---|---|---|
Scope1,2 | 2020年度 | 2027年度 | ▲25%以上 |
萩原電気グループでは2022年度よりCO2低減を目的とした活動を計画し、順次活動を開始しております。
Scope1に対しては、社用車のハイブリッド車両への計画的な入れ替えやテレマティクスシステムからのデータ(稼働率等)を活用した社用車台数の削減およびカーシェアリングの促進を並行して実施することにより、社用車利用における燃料使用量を削減する活動に取り組んでいます。
Scope2に対しては、製造および物流拠点における照明のLED化と再生可能エネルギーの導入によって、エネルギー使用量とCO2排出量の両面で削減を目指す活動に取り組んでおります。
これらの活動を継続することで、 Scope1,2に対して約25%以上(2020年度比)のCO2排出量削減を見込んでいます。