プロジェクトストーリー|Vol.2 開発生産本部編

STEP01 技術者同行による営業で、お客さまの課題と心をつかむ

宮﨑

萩原電気には自社ブランド製品がある。組込みコンピュータ「HPUシリーズ」はその一つだ。自社設計・国内生産によりフルカスタムでニーズに応えられるメリットを活かし、営業の宮﨑は、産業用ロボットとその制御用製品を手がける大手メーカーさまに、長く使っていただける製品を提案したいと考えていた。

宮﨑が注力したのは、お客さまの課題を聞き出すこと。当時、お客さまの製品には他社製のコンピュータが採用されていたが、ヒアリングを重ねても、特に不満は出てこなかった。それでも彼はコツコツ足を運び、技術的な質問にも即答できるよう、ときには技術者を同行した。お客さまからの質問や相談は徐々に増え、信頼関係ができていった。

そんな中、お客さまが「実は…」と課題を口にした。それは「宮﨑さんから提案をもらえないか」との相談につながっていった。ついに積み重ねた努力が実を結んだ。

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STEP02 萩原電気の対応力を実感いただけた、きめ細かい技術支援

藤井

宮﨑は多彩な製品をお客さまに提案した。その中で選ばれたのが、「HPUシリーズ」だった。正式採用までには、テスト機で信頼性を確認いただく必要があったが、その間も宮﨑はきめ細かくお客さまに対応。そしてテストを無事にクリアし、晴れて受注・開発スタートとなったのだ。

開発の最大の課題は、制御に不可欠な、データの「リアルタイム処理」だった。それを実現するにはソフトウェアの緻密な設定が必要。だが、お客さまにはそのことが大きな懸念事項となっていた。一方、萩原電気には、ソフトウェアのチューニングに関する豊富な経験と技術の蓄積がある。「我々の技術で、解決を試みようじゃないか」。ソフト設計技術者の藤井は、BIOSやWindows OS、リアルタイムOSといった、リアルタイム性確保のカギとなるプラットフォームのチューニングに挑んだ。

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STEP03 ソフト・ハード両面で実現した、かゆいところに手が届くカスタム対応

大河内

リアルタイムOSに関しては、メーカーと萩原電気が提携関係にあるため、技術情報を入手してカスタマイズを行えばよかった。問題はWindows OSとBIOS。技術情報非公開のため、リアルタイム性に影響しそうな要素を推測しては一つひとつ検証し、カスタム化していった。その結果、遅れを百万分の1秒単位で抑えることに成功した。

加えて、ハードウェアに関しても、最終的にお客さまの製品内部に組み込まれるため、形状やサイズなどのフルカスタムが必要だった。従来の設置型の製品とは異なる、ウォールマウント可能な筐体。フラッシュメモリの着脱が容易なスロットの位置。もちろん省スペース性や低コスト化も求められる。萩原電気の30年以上にわたる設計・開発ノウハウを駆使し、ハード設計技術者の大河内は、お客さまの要求を見事に形にした。

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STEP04 品質への独自の取り組みが、お客さまからの高い信頼に

永田

生産においては、永田をはじめとする製造部の、独自の品質管理体制が力を発揮した。

その一つが「Power屋台」。画面に表示された紙芝居のような指示書で、作業者が組み付け手順を確認できる生産システムだ。このシステムにお客さまのカスタム仕様を反映させる。その日必要な数だけ部品を配膳する「日当たり生産」との併用により、低コストでの多品種生産を実現している。

もう一つが、厳密なスクリーニング体制。抜き取り検査ではなく、全数の動作確認を8時間以上行う。CPUボードは500回もの電源ON/OFF切り替えを確認するほか、過去の事例に基づいた重点検査項目も設けている。

萩原電気の営業・設計・生産の強みと各自の努力が認められたこのプロジェクト。お客さまからは、新規案件のご依頼も複数いただいている。萩原電気の製品は、さらに多くのモノづくりの現場を支えていくことだろう。

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