技術センター

素材を選んで組み合わせる「ライブラリ」で、
高度な技術を要する画像処理用LSI設計を、手軽&スピーディに。

一からつくる完全オーダーメイドの製品に比べ、いくつかのパターンから選んで組み合わせるセミオーダーの方が、安価に早くつくることができます。LSIの設計も同じ。ある機能の回路を設計する際、素材を選んで組み合わせるだけの「ライブラリ」があれば、開発はとても楽になります。当社では画像処理用LSI設計のためのライブラリを開発。技術者の労力軽減と開発期間短縮、コストダウンを実現します。


リーフレットPDF:791KB

技術開発の背景 - Social Needs

「社内でのLSI設計用に作成したツールを製品化し、
エンジニアの負担軽減や開発スピードアップに役立てたい」。

  • LSIを設計する際には、ある機能をハードウェア上で実行するか、あるいはソフトウェア上で実行するかという選択肢があります。ハードウェア上で処理を行った方が、ソフトウェア上で行う場合よりも高速な処理が可能。しかしそれには、設計者がアルゴリズムに対する高度な知識を持っている必要があり、開発にかかる工数や費用も多大なものとなります。
  • 当社では画像処理分野のLSI設計を行っていますが、設計者の業務を効率化するため、求める機能を搭載したLSIの設計が素材を選んで組み合わせるだけでできる「ライブラリ」を、社内用に開発。この技術的財産を他社でも活用し、業務効率化や開発スピードアップに役立てていただきたいと、製品としての発売を決定しました。

この技術の概要 - Outline of the Technology

難易度の高いLSI設計を、ブロックの組合せだけで可能にする、
動作合成ツールCyberWorkBench用のライブラリ。

  • ハードウェア上で画像処理を行おうとする場合、画像処理アルゴリズムに関する高度な知識がなければ回路設計を行うことができません。このライブラリを用いることにより、そのような知識がなくても、ブロックを組み替えるだけでさまざまな画像処理回路を容易に設計することができます。
  • 画像処理のような算術演算が多いシステムでは、ハードウェア言語による設計は比較的難易度が高いうえ、大規模なシステムでは記述量が膨大なものとなります。そこで、抽象度が高いC言語を使用することで記述量を抑え、その後ASIC・FPGA向けのRTLに変換するという手法(動作合成)があります。そのためのツールの一つがNEC製のCyberWorkBench。当社はこの製品を熟知したユーザーの立場から、CyberWorkBenchに搭載し、さらなる利便性を提供するライブラリを開発しました。

画像ライブラリ

この技術の発展途上なところ - Technology in Process

画像処理ライブラリの種類をさらに充実させ、
多彩な用途に対応できる高機能な製品をめざす。

現在、ライブラリによって動作合成可能な画像処理としては、グレースケール化や2値化などの「色フォーマット変換」、ソーベル・メディアン・ラプラシアンなどの「行列フィルタ」、アルファベットや円形・四角形・グリッドを重ねる「オーバーレイ」、分岐・合流・選択などの「画像ストリームフロー制御」、拡大・縮小・回転といった「座標変換」、そして「ビデオタイミングジェネレータ」や「ビデオ生成」などがあります。今後は高解像対応や画像解析、描画など、画像処理ライブラリをさらに充実させることで、さらなる機能強化を図り、用途の拡大をめざします。


画像ライブラリ

将来的に期待できること - Future of the Technology

ゲームや家電、自動車、セキュリティなど、
あらゆる分野の新製品開発スピードと価格競争力の向上に貢献。

応用分野としては、民生市場では、人の検知や人の動きを利用した空調・照明機器、ハンドジェスチャ (手の動き) ・モーションキャプチャ (身体の動き) などを利用したゲーム機器など。特に自動車関連では、車線境界線・歩行者・車両・標識などの検知を利用した先進運転支援システム (ADAS: Advanced Driver Assistance System) など。また産業市場では、人の侵入検知や顔認識などを利用した監視カメラやセキュリティ機器などが考えられます。画像処理を利用するあらゆる分野への応用が期待できます。

この技術の強み - Advantage Point

1.車載LSIで培ったシビアな要求に応える技術

当社では長年にわたって車載LSIの設計に携わってきました。低消費電力化や機能安全対応など、車載用特有のシビアな要求に応えてきた経験の蓄積で、車載以外の分野においても、ハードウェア上の画像処理の高速化と低消費電力化の両立実現を可能にします。

2.キャッシュの利用によりDDRアクセスを高速化

キャッシュによるDDRアクセスの高速化により、コマ送りのように切り替わる画像ではなく、滑らかにリアルタイムで変化する画像表示が可能。展示会では多くの来場者の方に興味をお持ちいただいています。